銀
の 話
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みなさんは銀のイメージで、一番最初に何を思われるでしょうか?
重い、軽い、硬い、柔らかい、白い、黒い、冷たい、暖かい、安い、高い、電気熱伝導率が良い、なんて思った
人もいるかもしれません。
ここのペ−ジではそんな銀にまつわるいろいろな話をしたいと思います。
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スターリングシルバー
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RC
GEARで主に使っている地金は、銀が92.5%残り7.5%が銅で出来ている、スタ−リングシルバーと
呼ばれる割合のものです。
その名もイースターリングスさんと言う人がイギリスでつくり出したことに由来します。
なぜ純銀ではないのか?と言うと、銀の純度を上げて99.9%くらいでは、銀はとても柔らかくきれいな光
沢があるのですが、柔らかい故に製品になった時
に傷が付きやすかったり形が歪んでしまったりしてしまいます。
逆に、純度を下げて行くと一般的には硬くなりますが、銀が90%を切ると輝きも鈍くなってきます。
お餅に例えると純度の高い銀の地金は、つきたてアッチチのお餅のように粘りがあり、のばしたり、潰した
り、曲げたりするのにはよいのですが、刃物で切る
には柔らかすぎて向きません。
反対に”割金”<銀に混ぜる金属>を多く入れた地金は、のし餅のように刃物で切ったり削ったりするのには
向いていますが、伸ばしたり曲げたりすると、ひ
びが入ったり割れたりしてしまいます。
そこで92.5%の登場です。
柔らかすぎず硬すぎず、しかもジュエリー製作の上で重要な輝きも良いものが、スタ−リングシルバーなので
す。
だからといってシルバージュエリーのすべてがスタ−リングシルバーというわけではなく、それぞれの作家さ
んがいろいろ試した上で気に入った割のシルバー
を使っています。作るものによってどんな”割り”(銀の他に混ぜる金属やその割合のこと)の地金を使うか選
ぶものなのです。
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銀の輝き
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銀の反射率は91%もあります。これがどういう事かというと、
銀の表面に入る光の波長の内3000オングストローム以上の波長の光を反射します。可視光線(肉眼で見える
光)は3800オングストローム以上ですから、
銀は可視光線のすべてを反射するので、あのように銀白色に見えるのです。
しかし銀は時間が経つに連れてどんどん輝きが鈍くなり、放っておくと真っ黒になってしまいます。これを”
銀がさびた”、”銀が酸化した”とかいいますが、普通の状態で銀は酸素と反応する事はありません。
どうしてそうなってしまうのか?犯人は『硫化水素』『亜硫酸ガス』などの硫黄分を含んだ身の回りにあるいろいろなものなのです。例をあげると、温泉や排気ガス、アッチッチのゆで卵や目玉焼きの黄身にゴム製品…などきりがありません。ちなみに本当は”硫化”と言いますが、道行く人たちが「私のリング、硫化
しちゃってこんなに黒くなっちゃったぁ」なんて言ってたらなんか恐いですが。
この硫化の反応を式にしてみると
Ag+2H2S→Ag2S+2H2
これが銀の表面で起こっているのです。この反応を上手くつかった仕上げの方法を『いぶし銀』と言います。
輝きの鈍った銀を光らせる方法は
銀のお手入れに詳しく書いてありますので、
ここでは簡単にいぶす方法をお教えしましょう。
用意するものはもちろん市販のいぶし液でもよいのですが、(いぶし液は使用方法を良く読んで下さいね)
チープに硫黄分の入った温泉のもと、または温泉場などでよく見かける湯の花をお風呂ぐらいの温度のお湯で溶かします。その中にいぶしたい銀製品を入れて、様子を見ながら好みの色になったところで取り出し、
水かお湯でよく流します。簡単なのでチャレンジしてみてください!
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銀のスプーン
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銀は、高貴な生まれと幸福の象
徴とされています。
裕福な家に生まれる事を「銀
のスプーンをくわえて生まれる」(Born
with a silver spoon in one's
mouth)と言いますが、これは磨かないと黒ずむ銀が持つ特性から、磨く時間を持てるという時間的ゆとり
(高貴な生まれ)の象徴を意味し、同時に、せっかくの才能も常に磨いておかなければ花咲かないという人生に対する戒め(幸福の追求)にも通じているからで
す。
そのためヨーロッパでは、出産祝いにスプーンを贈るのが、最も心のこもったギフトとされているのです。
RC GEARの
ベビースプーンは
1枚板か
らたたき出して作る、さじ部分が下につかないオリジナルデザインです。ここだけの話、さじ部分のサイズや
角度など、使いやすさを求めてデザインは徐々に進化しているのです。
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